BUS STOP
“ジョーは何故死んだ?”

STORY

ここは登山といっても1000m台のハイキングコースもある山の、6合目にあるバスストップである。 近くには待合室を兼ねた小さな茶屋がある。登山スタイルのグループや、ハイキングを楽しんだ 男女などがやって来る。バスはなかなか来ない。しばらくしてすごいスピードでバイクが通りすぎて 上の方へ走っていき、さらに何台もの車が通過して行く。乗客の一人が車を止めるために走っていく。 ややあって戻ってきて「8合目あたりで山崩れがあってバスが立ち往生しているらしい。」と言う。 動揺する乗客たち。 ふいに一人の男が「巨人の星」のラストシーンを覚えているか?と皆に尋ねる。 「アタックNo1」のラストは?「めぞん一刻」のラストは? 男はゆっくりと皆んなを見廻して言う。 「なぜ明日のジョーは死んだんだ?燃えつきて、灰になって」 そして皆んなは―――

 

SONG

BUS STOP

ドアが開いて風が通る 少年が乗ってくる
たよりない勇気につかまって 流れる世界を見ている
ブレーキの音聞こえるたび 新しい出会いをする
いくつもの別れにぶつかって いつだろう大人になった

遠くなるあのバス停が 初めての別れの場所
もし今この両手で思いきり扉を叩けば引き返せる
でもどっちが本当の勇気なんだろう
閉じ込められた無口な愛を抱きしめてバスは行く

裸足のままで降りた町で すれ違う人がいる
今度こそ笑って近づこう 何度そう思っただろう
なくしたものに思いを馳せ 新しい夢をみた
後悔のカーブを曲がったら いつだろうもとの軌道へ

近くなるあのバス停で もう一度バスを待とう
振りきる思いの数傷つけた 夢だけ抱えて走ってきた
でもどっちが本当の別れなんだろう
まっすぐ前を見詰める勇気を探す旅 バスは行く

閉じ込められた無口な愛を抱きしめてバスは行く
まっすぐ前を見詰める勇気を探す旅 バスは行く