ロフト物語

STORY

 港 健一(日向)はビリィボーイと呼ばれていた。

 それが何故なのかは誰も知らない。ともあれこの物語の舞台は

 ビリィボーイが働いている倉庫会社の、もう長い間使用されて

 いないロフトである。

 ビリィボーイの仲間たちは、このロフトを遊び場にしていた。

 そこにビリィボーイは寝泊りしている。

 しかし、8ヶ月前にある事件が起こり、ビリィボーイが刑務所

 に入ってから、ロフトは閉鎖され、仲間たちは散り散りに

 なってしまった。

 ビリィボーイが出所する日に、良(小池)がみんなをロフトに

 呼び集めた。久しぶりに会う仲間たちの何人かは運送会社

 で働いたり、OLになっていたりした。良がみんなを集めたのは

 ビリィボーイを歓迎するためだけではない。もうひとつ別の目的

 があるようだった。

 

 8ヶ月前の事件とは__。

 純(山崎)が南(吉田)に犯されて自殺未遂をしたという噂が

 仲間たちの間で広まっていた。その日、純に気のあるらしい

 辰巳(米村)が純に、噂が真実かどうかを問いただそうとした。

 そこへビリィボーイと南が現れた。南は純と性的な関係を

 もったのは合意の上だとうそぶいた。怒った辰巳が南に殴り

 かかった。南に一蹴された辰巳は鉄パイプを持ち出した。

 止めに入ったビリィボーイは、はずみで南の頭を強殴した。

 南は病院にはこばれ、ビリィボーイは自首した。

 

 彼等はあの事件が自分たちにとっていったいなんだったのか

 そしてこの8ヶ月をどう生きたのかを語り合おうとした。

 辰巳が良に純のことはどうなったんだ、いったいあの事件は

 俺たちにとって何だったんだと詰め寄る。

 そこへビリィボーイが帰ってきた___。

 

SONG

 

ロフト物語

 

いらだちと挫折の毎日

ぐちとくだらないケンカ

この街で拾ったがらくた

小銭探して自販機で買った缶コーラ一つ

本気で笑えることなどない

あきらめてこの心捨てようか

 

ロフトの扉の重さは歩いてきた道の長さ

ロフトを照らすのはあの日旅立った朝の陽

 

君がくれたあの日あの頃

帰り道と夕暮れ

小さな街の宝物

君の笑顔が俺に幸せを運んだ

本気で「好き」だと言った初恋

埃だらけのロフトで泣いた

 

ロフトの扉の重さは抱きしめた思い出の数

ロフトを照らすのはあの日別れた朝の陽

 

友がくれた青いビー玉

希望と夢とせつなさ

あの空の下の青春

「大切なものはかわらないさ」と手渡してくれた

また会う約束をして別れた

ロフトの下で転がっていた優しさ

 

ロフトの扉の重さはみんなとみた夢の重さ

ロフトを照らすのは二人で見た光

俺たちと君のロフトストーリィ

 

Copyright(c) 2000 All Right Reserved by ∞ENDLESS∞ KIDBROS.
また、東京キッドブラザース関係の曲・歌詞・セリフ・その他作品に関しては、
それぞれの著作者に著作権が所在しております。